今回は、朝起きた時の不快な症状の1つでもある胃酸の逆流から解放され、20年間の朝の不快な症状がとれたと大変喜んでいただきました。
■病院では多分こんな処方が出るのでは?■
胃酸を抑えるための薬が出ると思います。多分こんな状態ならば、きっと皆さまは逆流性食道炎?と第一に上がる病名でしょう。
今はお薬の薬効が強くなってきているので、確かにそれも効果的。ただし、消化器内科以外で処方をいただくと、その服用期間が長期化するという事例も。適用傷病名といって、病名さえしっかりとついてさえいれば、保険は通らなくなるということは少ないのです。確かに、低用量アスピリンなどの併用ではきちんと服用する意義はあるものの、その他の症例では、個人的には長期服用は避けたいですし、根本を見つめないと、お薬を止めた時に症状が再発する可能性も高いのではないかと思います。
病院では今、半夏瀉心湯という漢方が良く使われるそうなのですが、基本的にはうちでは頓服でしか使用しません。ちゃんと半夏瀉心湯にも証はあるので、その確認をせぬままルーチンで処方が出されることに意味をしっかりと考える必要があります。大建中湯や六君子湯は、論文に基づくエビデンスに従って処方されていることが多いのが現状だと思います。現在服用されている方は、なぜ服用中であるかをしっかり説明してもらってください。
■今回何を考えて漢方薬を調剤したか。■
極論はここです。その方の場合は、「年齢」「姿勢」と「日常生活の活動度」と「食生活」です。そして、あたりまえのことながら、半夏瀉心湯は使っていません。その方は野菜中心の食生活でもありますし。日常生活をしっかりと聴取し、問題点として抽出したのが上記3点でした。炭水化物の摂取が多いと聞いていたので、それも想定していたのですが、なんと、それにも拘らず、炭水化物が少ない人向けの漢方の方が美味しいと仰られるのです。そして、服用開始後1日というか、翌朝にはきちんと口の中が胃酸プールの状態は改善して、朝をお迎えになられたと嬉しいご一報を頂戴しています。こればかりは本当に試飲していただかなければわからない、そんな薬剤選択でした。
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■病名はあくまで人間が作る。■
西洋医学は病名ありきの学問です。病名から使用する薬剤のチョイスを行います。それらが悪いわけではないですが、その時点で知られている病名に対して、お薬が紐づいているので、その選択肢の中から処方がされることを念頭に置かれる必要があります。まだ知られていない病名にあたると、難治性〇〇なんていう仰々しい病名が付いたりもします。
一方東洋医学にも病名という概念はありますが、流れが滞るところなど、バランスを見て介入していきます。今回の事例では、病名からすると・・・じゃあ、半夏瀉心湯かな?と、病名からのアプローチをしてたら、きっともううちを頼って頂くことは、今後なかったでしょう。笑
仮に今回その方が病院やクリニックに行って処方箋が出された場合、多分上記のような処方が出る可能性があるでしょう。もちろん、予後を考えたら服用の意義はあるのですが、結果として胃酸の出過ぎを調節などしなくても、胃酸は逆流してきません。
お悩みって人それぞれです。解決方法はその方により異なります。ですので、私達はきちんとその方の特徴を掴むことに注力します。一般的な方法でよいですか?それとも、あなた独自の方法でやっていきたいですか?
選択するのはご自身です。
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二の宮馬上薬局の馬上雅光です。
漢方薬や健康食品を用いて、店頭試飲を通じてその場で体調の変化を感じていただくことで目の前の症状を取らせていただいてきました。二の宮馬上薬局を頼ってくださる皆様のために、1杯の漢方薬に願いを込めてお出しさせていただきます。
【経歴】福島県いわき市出身。実家は3代続く薬店。大学卒業後、薬剤師資格を取得。大学院に進学後は、研究の日々を過ごす。不調を抱える方のお悩みを解決に導く対面業務に興味があったことから、卒業後は病院での経験を積むため、茨城県日立市の中核病院に入職。病院では脳神経系をはじめ、循環器・消化器系の疾患など、幅広い知識を身につける。その後、実家近くのがん拠点病院にて、悪性腫瘍を抱える患者さんへの治療について学ぶ。調剤薬局で保険調剤に関する経験を経て、2021年1月に茨城県つくば市にて二の宮馬上薬局を開局し、現在に至る。
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